量子コンピューターと映画マイノリティリポート
量子コンピューターと映画マイノリティリポートについて話していきます。
- 量子コンピューターとは?
- ここで言わている量子技術とは?
- 日本の現状 中村康信さんが世界を動かす
- 量子コンピューターの歴史
- 量子技術イノベーション戦略
- 量子コンピューターというか量子技術で何ができるようになるの?
- 量子コンピュータの出番はどこにあるのか?
- 汎用量子コンピュータの実現に向けた研究の進展と課題
- マイノリティ・リポート
量子コンピューターとは?
一言で言うと、
予測がつかない潜在能力を秘めた化け物
今回はそれについて紐解いていきたいと思います。
量子コンピュータや量子暗号など、従来とは比較にならない潜在能力を秘めた量子技術の活用により、産業も社会も大きく変革する量子時代が到来したといわれています。
ここで言わている量子技術とは?
文部科学省の見解では、
「データの超高速処理を可能とするなど、新たな価値創出の中核となる強みを有する基盤技術」
「量子科学技術に関する世界的な研究開発が激化し、社会に変革をもたらす重要な技術と位置付け、政府主導で研究開発戦略を策定し、研究開発投資額を増加している。」
世界の仕組みを変える技術
つまり、
リードすることができたら、
世界の覇権を握れる可能性もあります。
社会的な貢献度
政治的な交渉道具
国力を見せつける
富国強兵という言葉がありましたが、
富国強量子と今後なるかもしれないほどのパワーワードなのです。
日本の現状 中村康信さんが世界を動かす
その基盤となる研究を戦略的に進める国内8つの拠点の一つとして、
2021年4月1日、理研に量子コンピュータ研究センター(RQC)が発足しました。
本格的に本腰を入れて動きだしたという感じです。
今日はこの人だけ知ってもらえれば嬉しいす。
「日の丸量子コンピューター」で欠かせない存在は、
中村泰信(なかむら やすのぶ)さんです。
東京大学先端科学技術研究センターの教授でもあり、
理化学研究所の超伝導量子エレクトロニクス研究チームのチームリーダー
を務めている。
量子コンピューターの中心人物である。
量子コンピューターでノーベル賞を取るとしたら彼が間違いなく受賞者の1人と言われている人。
中村泰信(なかむら やすのぶ)教授。
1999年にNECの研究所に在籍していたときに、
量子コンピューターの基本的な回路である「超伝導量子ビット」を開発しました。
1999年4月29日号『Nature』の表紙にもなっています。
これは凄いことです。
世界で最も読まれ、最も権威のある学術ジャーナルの1つ
全学者が読んでいると過言ではない雑誌の表紙になるという威力
脱線話 八村塁の凄さ
NBAのバスケットボールゲームの『NBA 2K22』
日本版オリジナルパッケージに八村塁選手が選ばれるという凄さ。
それでも日本限定版ですからね。
そもそも八村塁がNBAのドラフトにかかる凄さがどれだけの人が知っているのか?知りたいですね。
わかりやすく表現するには、
NBAは会社だとしたら、
全世界から毎年新卒を60人採用している状態
60人多いなって思いますけど、
世界で男女込みで、
バスケットボールの競技人口は4.5億人
サッカーは2.6億人
サッカーより多いのかよ!って思いますよね
男女5:5だとして男性が2億人だとして、
2億人以上の競技人口の中からたった60人しか選ばれない新卒枠なんですよ。
その新卒の枠をドラフトと言い換えましょう。
その新卒枠で全体の9位でドラフトにかかりワシントン・ウィザーズに指名を受ける!
エグイ!!
吐きそうなぐらい凄い
僕が生きている間に日本人がドラフトにかかるのを見ることができないと思っていたほどの凄さ
NBAは、NBAの社員数は約500名
NBAは全部で30チームで1チームがマックスで合計17人
2way契約というのもあるため(説明は割愛します)
社員数が500人程なのに、毎年新卒を60名も受け入れている時点で離職率が高いブラック企業並みです。
しかし、
新卒60名はめちゃくちゃ高給取りなのがNBAです。
話がだいぶそれましたが、
そのぐらい八村塁は凄いし、
中村泰信(なかむら やすのぶ)が『Nature』の表紙なったのも、ノーベル賞候補であるのも凄いという話です。
本題のもどります。
日本人は本来、理論物理学のような基礎研究で非常に強みがあります。
これから始まる量子コンピューターの産業化でも、100%存在感を示せる分野であることは間違いないでしょう。
忘れないでください。
中村泰信(なかむら やすのぶ)さんが彼が今後の世界を作ります!
量子コンピューターの歴史
故リチャード・ファインマン博士
量子コンピュータのアイデアは、
ノーベル物理学賞を受賞した米国の理論物理学者、
故リチャード・ファインマン博士によって1982年に提唱されたもの。
技術開発の難しさに加え、
日本では景気の後退も重なって企業の撤退が相次いだが、
現在、再び注目を集めている。
それは、
カナダの量子コンピュータ企業D-Wave Systems(以下、D-Wave)が、
「量子アニーリング型コンピュータ」を2011年に商用化したこと。
商用化
生産者と需要者の間に立って商品を売買し、利益を得ることを目的とする事業。
さらに2015年には、GoogleとNASA(アメリカ航空宇宙局)が
このコンピュータを使って、
「1000個の変数を持つ『組み合わせ最適化問題』を、従来のコンピュータと比べて最大1億倍の速さで解いた」という研究成果を発表したことにある。
組み合わせ最適化問題とは、
多くの選択肢の中から、ある指標(価値)を最も良くする変数の値(組合せ)を求めること
日常生活の様々な場面で皆さんも経験します。
例えば、旅行
変数:どういった旅行先を選ぶのか?
制約:旅行を行くための予算
指標(価値):満足度
巡回セールスマン問題(配送経路問題)
この問題は、都市間の距離のリストが与えられた際に、セールスマンが複数の都市をどのように訪問すれば、最短の移動経路(最適経路)で済むかを求める問題も組み合わせ最適化問題になります。
組み合わせ最適化問題は他にも、
新素材や新薬の発見につながる分子や化学相互作用の解明、量子物理学の法則を活用した暗号方式など、スーパーコンピュータでも解けない問題や、未知なる領域への適用が期待されている。
最適な選択をすることに利用される。
選択こそが楽しみであると私は考えていますが、量子コンピューターが生まれたら、選択が簡単になるかもしれません。
量子技術イノベーション戦略
内閣府が発表された
量子技術イノベーション戦略
冒頭でも言いました、
今は世界では量子技術開発競争が激化しています。
なぜか?
量子技術が世界の覇権を握れるぐらいの可能性が秘めているため世界でリードしたいという思惑がある。
近年、量子技術は、将来の経済・社会に変革をもたらし、また、安全保障の観点からも重要な基盤技術であり、米欧中(アメリカ、ヨーロッパ、中国)では、本分野の研究開発を戦略的かつ積極的に展開している。
我が国においても「量子技術イノベーション」を明確に位置づけ、
日本の強みを活かし、重点的な研究開発や産業化・事業化を促進。
量子コンピュータのソフトウェア開発や量子暗号などで、
世界トップを目指す
量子コンピューターというか量子技術で何ができるようになるの?
①量子慣性センサ
つまり!見えないものが見える!
GPSが使えない水中等で、自己位置を正確に推定
自律型潜水艦にこの技術が使われる
原子の粒子と波の両方の性質を活用(二重性)
ジャイロ(慣性センサ)は、
使用する量子の「速度×波長」
が小さいほど精度が向上するからだそうです。
②量子コンピュータ
計算できないものが計算できる!
スパコンでも非現実的な時間を要する問題を高速処理できる
AI高度化、暗号解読(因数分解)
➡ スパコンでは300万年かかる現在の暗号を30時間で解読
なぜできるのか?
通常のビット(0 か 1)ではなく、量子ビットは(0と1の)重ね合わせ状態を活用
難しいですね。詳しく知りたければ調べてください。
つまり
①量子慣性センサ
つまり!見えないものが見える!
②量子コンピュータ
計算できないものが計算できる!
計算方式は2つある。
「量子ゲート方式」と「量子アニーリング方式」
「量子ゲート方式」はあらゆる量子計算を構築する目的で作られ、量子効果を自由で積極的に活用することで量子計算の強さを引き出しやすくなっています
量子アニーリングは、多数の選択肢から最もよい組み合わせを選ぶ「組み合わせ最適化問題」を解くためのアルゴリズムです。
量子アニーリングでは、どのような実問題を解くことができるか?
色々な実問題を解くことができますが、ここでは複数台のクルマを使い、複数のお客さんに対して荷物を配達する「配車経路問題」がわかりやすいでしょう。
配車経路問題はさらに、
それぞれの顧客が10分単位で複数の「配達可能」「配達不可」の時間を指定します。
この問題は、2019年に量子アニーリングマシンを用いて解きました。
ただし、3台のクルマで6人のお客さんに対して2時間(15分刻みの8コマ)で配達をするという規模感。
これくらいなら普通の人でも大まかな見当でスケジュールを組むことができると思います。
今まではこの規模が解くことができる最大サイズだったのです。
2020年に計算した結果があります。
20台のクルマ、160人のお客さんを5時間(10分単位、全部で29の時間枠)で配達するという配車経路問題です。
そしてやはり複数の時間帯指定がランダムに設定されています。
このサイズでこれだけランダムに設定された時間帯指定をかいくぐって良いルートを見つけ出すのは、ちょっと普通のやり方では解けない問題です。
このような、より難しく、より大規模な問題で量子コンピューティングの良さが出てくると考えられます。
クルマ20台、顧客160人となれば1つの配送拠点くらいのサイズ
2020年の研究では、この量子アニーリングと古典コンピュータとのハイブリッドを用いて、大規模問題が解けるようになり大きな進歩を遂げました。
量子コンピュータの出番はどこにあるのか?
実は実問題を解くためには「古典コンピュータによって問題を解きつつ、
難しい問題を取り出す」という作業が必要なことがわかっています。
量子と古典とのハイブリッドが未来の都市を作そうです。
量子コンピューティングは、
配車経路問題以外にどんな実問題に応用できるのか?
配車経路問題の「複数時間帯指定」は極端な例ですが、この様な「付加価値」を付与されたさまざまなスケジュール問題に対しても優位性を見出すことができる。
モビリティ社会
モビリティ社会では、
各車がクラウドでつながり、その情報がサイバー空間のデジタルツインとして集積されることになります。
デジタルツインに集まってきた複数の情報を絡めて最適化を行う必要が出てきますから、量子コンピューティングによる難しい問題を解く力がそこで生きてきます。
※モビリティ社会とは?
2度目の「自動車革命」と言ったらわかりやすと思います。
最初の「自動車革命」は、
移動手段としての革命で、大量生産されて多くの人の足になりました。先進国といわれる国の人びとは性能や形は変われどクルマの所有を前提とした社会に生きてきました。
2度目の「自動車革命」
「クルマの役割・使われ方・利用者がすべて変わる」
今まで車は所有していたけど、AI自動運転の車が町を行き交い、いつでもどこでも移動ができて、プラス様々なサービスの提供も受けれてる。
経済的理由からクルマを購入できなかった層も、クルマの「利用」により、クルマの所有者と同等の"移動権"を獲得できる
車を使用する概念の変化が、第2の自動車革命、
すなわち、「モビリティ革命」モビリティ社会ということになります。
話は戻ります。
量子古典ハイブリッドコンピューティングの恩恵を受ける産業としては、先述のモビリティや工場でのIoTがあります。
量子コンピューティングは先の時代を支える基盤のなる技術ということがわかります。
何となく頭で追える「職人技の最適化+α」が、
人間の関わる問題に関しては適切なのかもしれません。
知をはるかに越えた難しい問題でこそ発揮されるのではないでしょうか。
材料開発や機械学習にはそのような応用が数多く潜んでいると思います。
もしかしたら、
我々自体が量子コンピューターの可能性を理解できていない可能性も感じました。
汎用量子コンピュータの実現に向けた研究の進展と課題
量子超越性が実現した先には、さまざまな問題に利用可能な「汎用量子コンピュータ」の登場が期待される。
しかし、
超電導体を絶対零度(マイナス273度)に近い温度まで冷却し、量子の状態を安定させてコントロールする量子ゲート型の量子コンピュータは、外部からのノイズなどの影響を受けやすく、
なかなか量子状態が安定しないという課題がある。
コンピュータの大規模化を進めるに当たり、計算で利用する量子ビットを増やせば増やすほど、エラーの発生確率は高くなるため、汎用量子コンピュータの実現に必要となる高い計算能力とエラー耐性の両立が実現するまでには、研究開発にかなりの時間を要すると予想される。
この課題に対し、
Microsoftは量子の状態が安定しやすい「トポロジカル量子コンピュータ」の開発を進めており、今後、IBM、Googleに続く第三の勢力として研究開発をリードしていくと予想される。
マイノリティ・リポート
『マイノリティ・リポート』
2002年に公開
トム・クルーズ主演
マイノリティ・リポートとは「少数意見」という意味
なぜ少数意見という題名なのか?はこれから話していきます。
予言者)と呼ばれる3人の予知能力者たちで構成された殺人予知システムが実用化された近未来。
それに従って予防的治安維持機能を遂行する犯罪予防局によって、システムの導入以後、西暦2054年のワシントンD.C.の殺人発生率は0%になったと報告されていた。という話
殺人予知システムには事前に犯罪を犯す人の映像が出てきて犯罪を犯す前に逮捕するという流れ、
主人公もその映像が流れて追われる身となる。
追われる身となりながらシステムの真相を突き止めることをしていきます。
殺人予知システムというのは、
作中では、3人の予知夢を見る子供を使った殺人予知システムが主軸となっています。
システムの考案者であるアイリス・ハイネマン博士が開発した。
システムは偶然の発見から生まれたものである。
ハイネマンは元々、「ニューロイン」という麻薬の中毒患者から生まれた遺伝子疾患を持つ子供達の研究を行っており、その子供たちはほとんどが12歳までに死亡してしまったが、
生き延びたものは予知夢の能力を獲得しており、
そこから殺人予知システムが開発されたという経緯がある。
話がそれますけど、
アイリス・ハイネマン博士の名前の由来ですけど、
予測なりますが、
アイリスは、
ギリシア神話に登場する虹の女神イーリスからとっているのではないかと、
「天地を結ぶ虹として、疾速で知られ、遠くの土地や海底でも瞬く間に移動することが出来る」場所を選ばない予知夢の殺人予測システムの考案者の名前にふさわしい
ハイネマンは、
グスタフ・ヴァルター・ハイネマンからではないかと?
1969年から1974年にかけて第3代連邦大統領 ドイツ(西ドイツ)の政治家で、
反戦・平和主義者として知られた。
治安を安定させる平和を望む意味のアイリス・ハイネマン博士の名前の由来ではないかと予測します。
システムは完全なものではなく、時に3人の予知が食い違うことがあり、システムの完全性を疑われないために少数意見(マイノリティ・リポート)になる予知は存在を秘匿され、なおかつ破棄されていた。
少数意見(マイノリティ・リポート)が破棄されていたという事実が、
大きな混乱の原因であるということがわかってきます。
つまりこの作品で言えることは、
ここでは予知夢見た人間だけど、仮にこれが量子コンピューターだとして、
計算上、精度は高いかもしれないし、正確かもしれない。
ただ答えは一つではなく、他の少数意見を量子コンピューター内で抹消してしまい、大きな損害を生むことはないのか?という疑問も考えるようになりました。
コインの裏表のように悪い面もありますし、それを改善していくのが課題にもなりますが、世の中がおかしい方向に行かないことを切に願うばかりです。
私も深く理解はしていませんが、量子コンピューターは答えを出すのは得意だと思います。
量子コンピューターが出した答えが全てと考えてしまう世の中になると恐ろしい事態が起こる警告している映画と捉えることもできると思います。
第1話 ムーンショットが描く未来
・ムーンショットが描く未来
サイバネティック・アバター生活
アバター、VR、 ファイナルファンタジー10、フラクタル アニメ
ラジオ音声
第1話 ムーンショットが描く未来
- ムーンショット型研究開発制度
- ムーンショットの言葉の由来
- 内閣府が打ち出すムーンショット型研究開発制度の趣旨
- サイバネティック・アバター
- アバターという映画
- ファイナルファンタジー10
- 未来を予測したアニメ フラクタル
- 未公開のこぼれ話
ムーンショット型研究開発制度
ムーンショット型研究開発制度はご存知でしょうか?
内閣府のホームページに記載されている。
ムーンショット型研究開発制度の内容は非常にSFのような内容に見えるが、
決して実現が不可能ではなく時間がかかるが、達成は可能であろう項目が並んでいる。
なぜその計画が打ち出されて、どういう世界になるのか?
予想するための道具として身近な作品、映画から、来るべき近未来の世界を創造していきたいと思います。
ムーンショットの言葉の由来
アメリカの第35代大統領ジョン・F・ケネディによる、アポロ計画を開始するきっかけとなった1961年5月25日のスピーチ(*)の1960年代が終わる前に月面に人類を着陸させ、無事に地球に帰還させる」が、その由来である。
ムーンショットは、未来社会を展望し、困難な、あるいは莫大な費用がかかるが、実現すれば大きなインパクトをもたらす壮大な目標や挑戦を意味する言葉として使われるようになった。
内閣府が打ち出すムーンショット型研究開発制度の趣旨
趣旨を一文で言うならば、
「多くの困難な課題を抱える中、それら課題解決に科学技術が果敢に挑戦し、未来社会の展望を切り拓いていくこと」
その趣旨、つまり目的を達成するために7つの目標を掲げている。
1.2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現
2.2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現
3.2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現
4.2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現
5.2050年までに、未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出
6.2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現
7.2040年までに、主要な疾患を予防・克服し100歳まで健康不安なく人生を楽しむためのサステイナブルな医療・介護システムを実現
全てを語ると時間がかかるため。
1.2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現について話を絞りたい。
この目標は現実味を帯びてきています。
サイバネティック・アバター
そのために開発をしているのが、
サイバネティック・アバターなのです。
サイバネティック・アバターは、身代わりとしてのロボットや3D映像等を示すアバターに加えて、人の身体的能力、認知能力及び知覚能力を拡張するICT技術やロボット技術を含む概念。
アバターとは?
サンスクリット語のアヴァターラ(avataara अवतार)は、
インド神話や仏教説話の文脈で「(神や仏の)化身」の意味。
2030年までに、1つのタスクに対して、1人で10体以上のアバターを、アバター1体の場合と同等の速度、精度で操作できる技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築する。
一人が複数の化身を操りいくつもの仕事を運営できるようにしたいという基盤がある。
2050年までに、複数の人が遠隔操作する多数のアバターとロボットを組み合わせることによって、大規模で複雑なタスクを実行するための技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築する。
大人数で遠隔操作で化身とロボットを起用し、大がかりな作業を完了できるようにする。
現場系の仕事もロボットやアバターで代用してしまう。本当に人が要らない世界が2050年に達成する可能性がある。
2050年までには、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現するというムーンショットが目標1なのです。
現在行われているテレワークも普及率が低いですが、近い未来では、テレワークは当たり前になり議論されることは無くなるでしょう。
アバターという映画
2009年に上映された。アバターという映画
ざっくりいうと、
パンドラという惑星にエネルギー問題の解決の鍵となる鉱物を採掘するため人類はパンドラに進出するが、パンドラにはナヴィという先住民族が住んでいた。資源の採掘を願い出るも、ナヴィ達は地球側の提示する条件にまったく関心を示さなかった。資源開発の目的を果たすべく、RDA社は地球人とナヴィそれぞれのDNAを掛け合わせた人造生命体を作り、神経を接続する操作員の意識を憑依させたアバターとしてナヴィとの接触を図る「アバター計画」をスタートさせる。
いろいろあって、
主人公は、アバターと共に静かに横たわるジェイクは、エイワの力(ナヴィという一族の神)によってその意識をアバターの肉体に移される。
今までアバターだったのが、そこに主人公の魂が移植されてナヴィ一族として生きる。
みたいな話。
人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会に近い発想の映画だと思いました。人間という肉体に固執することなく最終的にアバターに意識を入れてしまえば、ナヴィ一族になるように物理的な肉体からの解放がある。
まさにこの目標に最終地点を示したような映画のように感じました。
ファイナルファンタジー10
ファイナルファンタジー10
全部話すと大変なので、相当省略すると、
これはストーリーを見てほしいのですが、
ブリッツボールというスポーツの選手であった主人公のティーダは、
自身が住むザナルカンドから、異世界「スピラ」に飛ばされる。
スピラでは「シン」と呼ばれる怪物(ラスボス)が現れ街を襲う為、人々は怯えて暮らしていた。
「シン」を倒せるのは召喚士(今作にヒロイン ユウナ)のみとされる。
だが、倒しても、しばらくすると「シン」は復活する。
「シン」を倒しては復活し、また倒す…といったループを繰り返している
召喚士はスピラの人々の希望を背負い、「シン」を倒す唯一の手段である「究極召喚」を行うため修業の旅に出るのが通例となっていた。
主人公のティーダは何者なのか?
これはネタバレですが、
主人公のティーダ存在していないという事実がわかってきます。
祈り子と呼ばれる人達が作った夢で、主人公のティーダは祈り子の夢の住人という事実が衝撃的なのです。
要は祈り子が作ったアバターみたいな存在。祈り子は1000年以上夢を見続けて疲れてしまっている。それを解放するためにシンを倒す。
ラスボスを倒した後、主人公のティーダは消えてしまうという悲しい話。
人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会に近い発想を持った作品だと思いました。
未来を予測したアニメ フラクタル
最後に
フラクタルというアニメはご存知でしょうか?
フラクタルについて
22世紀に確立された世界を管理する「フラクタルシステム」。それはネットワーク化された数兆の計算機の総体で、人体に「フラクタルターミナル」を埋め込みライフログを定期的に高々度浮遊サーバに送信することで全ての人が基礎所得を受け取ることができるシステムである。
これによって、働く必要も争う必要もなくなり、人類は楽園のような生活を手に入れた。そして、「ドッペル」と呼ばれるアバターを使うことによって、どこでも好きな場所から自由にコミュニケーションを取れるようになって以来、多くの人は定住せずに悠々自適に暮らす個人主義の社会が形成されていた。
現代に近いに発想ですよね。
しかし、システムの恩恵が得られてから1000年が経過し、電波を中継する「バルーン」の殆どが故障し、システムは崩壊の危機にあった。だがもはやシステムを管理する「僧院」ですらシステムを修復する術を忘れてしまい、残された手段は再起動だけだった。
未公開のこぼれ話
結構話したいこともあったのですが、
ゼーガペイン
ゼーガペインというアニメの方が、
「人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会」の発想に近いと思いました。
その昔、ナーガという科学者が量子コンピューターを実用化した。
やがて彼がCEOを務めるI.A.L社は軍事分野などにも手を伸ばし巨大コングロマリットへと成長。
そして間もなく、致死率98%の「オルム・ウィルス」が世界中に蔓延した。
人類は死を回避するため、世界各地に作られた量子サーバーの中で、人間の記憶や思考・人格・肉体の特徴などをデータ化した「幻体」となって生きることを余儀なくされた。
思想や宗教上の理由で幻体化を拒んだ人も多くいたが、疑心暗鬼に陥った人々は世界各地で戦争を始め、世界人口はわずか数年で激減し、
ついにサーバー内の幻体だけが残されたのだった。
主人公は、現実だと思っている世界に生きているが徐々に今の世界に疑問を持つようになる、そして自分たちが実は作られた世界にいることに気づき真実を知ろうとする。
映画のマトリックスを彷彿させる内容に近い。
そして致死率98%の「オルム・ウィルス」というのも、2021年現在 蔓延しているウイルスにも近い概念が存在する。
人類が身を守るために「幻体」にならなくてはいけなかったという設定に過酷さを感じましたね。
しかし、いつそういう時代が来てもおかしくない、今だったらSFではなく近い将来としてみることができる作品ではあります。
攻殻機動隊
近未来と言えばこの作品
www.ghostintheshell-sac2045.jp
あらすじは、
時は21世紀、第3次核大戦とアジアが勝利した第4次非核大戦を経て、世界は「地球統一ブロック」となり、科学技術が飛躍的に高度化した日本が舞台。
その中でマイクロマシン技術(作中ではマイクロマシニングと表記されている)を使用して脳の神経ネットに素子(デバイス)を直接接続する電脳化技術や、義手・義足にロボット技術を付加した発展系であるサイボーグ(義体化)技術が発展、普及した。
結果、多くの人間が電脳によってインターネットに直接アクセスできる時代が到来した。
生身の人間、電脳化した人間、サイボーグ、アンドロイド、バイオロイドが混在する社会の中で、テロや暗殺、汚職などの犯罪を事前に察知してその被害を最小限に防ぐ内務省直属の攻性の公安警察組織「公安9課」通称「攻殻機動隊」の活躍を描いた物語。
ディープじゃないですか?
濃すぎて、まだ理解できていないところが多く難解なところがある。
限られたラジオでは話しきれないためカット。
詳しくはこちら
攻殻機動隊シリーズの年表を見ると、物語の年代でどういう出来事が起きているかがわかる。
ほぼ全ての作品見て、2周しましたけど難しいです。
近未来の雰囲気だけを感じるだけでも面白い作品です。
内容を知ろうとすると深いです。非常に。
人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会に近い発想を持った作品は多く議題に上げたらきりがないです。
ファイナルファンタジー10に話でもかなり端折っていますが、初見で聞いてもピンとこないと思います。
プレイ動画を私は見ましたけど、丁寧にゲームを進めていけばゆっくりと設定や状況、展開が理解できるようにシナリオライターが作っているのでどんな人でも没入できるように設計しているところが凄いとことですね。
簡単にいうと名作です。
内容はぶっ飛んでいるけど、将来的に人類が時間と空間を超えたシステムを作る点においては興味深かったですね。